稲

筑波農林業問題研究会設立の趣旨および加入の訴え

 多くの国際専門機関が、人口の増加、地球温暖化、異常気象、農用地拡大の制約など、さまざまな要因によって、二十一世紀の食料不足を警告しています。ところが、日本の食料自給率は、39%まで低下し、日本の人口のうち7800万人分の食料を海外に依存せざるをえなくなっています。
 今日、食を支えるわが国の農林水産業は、就業者の減少と従事者の高齢化、農地面積の減少、米などの農産物価格の下落などによる経営収支の悪化など、危機が一段と進んでいます。
 現在進められているEPA・FTA交渉などの貿易自由化促進の流れが進めば、農林水産省が試算したように、自給率が12%まで落ち込むと予測されています。
 いままさに、日本農林水産業の危機的な状況の下で食料自給を好転させるのか、さらに輸入依存を強めるか、日本の食料をどうするのか、国民的な選択を迫られる情勢です。
 食の安全・安心の課題については、BSEや高病原性鳥インフルエンザのような人獣共通感染症への対応だけでなく、昨年、相次いで発覚し、消費者の信頼を失墜させた食品会社の偽装事件への対応も問題となっています。
 食料の安全性は国民の健康上、最優先の問題です。それは生産から加工、流通、消費まで問われるものです。
 地球規模で見れば、一国民のみの課題ではなく、世界の食糧市場の歪みから起こる飢餓問題や環境問題を俯瞰しつつ、取り組まなければならない重要な課題です。
 筑波農林業政策研究会は、参加した有志それぞれが研鑽し、積み重ねられた専門知識を結集し、広く国民、農林業経営者とともに、農林業の諸問題、政策提言を行うために活動しています。
 自主的、自覚的活動となりますが、それだけにあれこれの制約にとらわれることなく、自由闊達、創造性あふれる研究会となると確信します。
 老若問わず多くの農業者、消費者、研究者、技術者、有志の方が参加されることを期待し、広く入会を呼びかけます。

2008年1月

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